いろぐろ薬剤師ブログ

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【意外と凄い】漢方薬のこと舐めてませんか?

皆さんは漢方薬のことどう思っていますか?

「読めない漢字多いし何か胡散臭い・・」「本当に効くの?」とか言われます。

 

はあ・・・・

 

漢方薬舐めんなよ!

 

 

そんな漢方薬の誤解を解いていき、凄さをお伝えします。

また漢方薬は独特な味がしますので、そのまずい味を少しでも軽減する飲み方の工夫も教えていきますね。

 

 

漢方薬とは?

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漢方薬は複数の生薬(しょうやく)の組み合わせで作られています。

 

漢方薬は何千年の間に何世代にも渡って人間に試されてきました。その結果、これは効果があると言われているものが現在にも残っています。

 

何千年の間に何度も薬草を変えたり、量を変えたり、配分を変えたりと改良を重ねた結果が今存在している漢方薬になったというわけです。

言ってしまえば、漢方は何千年も人体実験をしてきたお薬とも言えます。先人たちの知恵の結晶ですね。

 

漢方薬は保険適用のものが多くあり、国も効果を認めています。

 ですので、胡散臭い怪しい薬ではありません。

 

 

以下のグラフのように漢方薬の処方も増加傾向にあるようです。

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「JPM2009年3月MAT~2018年3月MAT」をもとに作成 

 

 漢方薬の得意なこと

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検査して異常のないけど不調を訴えるなど原因が分からないケースは漢方薬の得意分野です。何となくだるいとか、何となくイライラするとか、何となく胃の調子が悪いとか・・

 

よく使われている 西洋薬のほとんどは1つ成分で構成されています。痛みを取ったり、菌をやっつけたりと1つの症状に対してめちゃくちゃ有効です。が、なんとなく調子よくないなどの曖昧なケースは対応しにくいのです。そんな症状に漢方は有効です。

 

 漢方薬のベースとなる漢方医学は、患者の病状(訴え)や体質を重視し、その結果から処方します。そのため、体質に由来する症状(機能性の月経痛や冷え症、虚弱体質など)、検査に表れない不調(更年期障害の症状)などの治療を得意としています。

引用:自然と健康を科学する漢方のツムラ 漢方について 

 

 意外と即効性ある

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 漢方薬は長く飲み続けないと意味がないと思っている方が多いみたいですが、それは間違いです。漢方薬には即効性を示すものがたくさんあります。

 

漢方医学は基本的に数か月を前提に行うことが少ないので、数日で症状の改善を目指しています。即効性のある主な漢方薬はこんな感じ。

 

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よく使われる漢方薬と注意点

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  •  葛根湯(かっこんとう)

一番知名度がある漢方薬でしょう。風邪の引きはじめや肩こりに使われます。即効性がありますが、長期連用は禁物です。風邪だからとりあえず葛根湯は間違いです。

 

風邪の真っ最中(発熱、咳、痰)に服用しても意味がありません。引きはじめのゾクゾクする感覚の時に飲みましょう。体を温める効果があるので汗をかいていなくて悪寒がするときに最適です。

 

  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

 鼻炎などの鼻水サラサラして止まらないときはこの漢方薬が使われます。

西洋薬の抗アレルギーとは違い、服用しても眠くはなりません。即効性もあるのですぐに効果を発揮します。サラサラ系の鼻水には効きますが、ネバネバした鼻水(熱をもった感じ)に対しては効果はないので注意しましょう。これも長期の使用は厳禁です。

 

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

こむら返りには、この漢方薬がめちゃくちゃ有名です。即効性があり、だいたい5分くらいで効きます。スポーツに持参している方が多いですね。

よく患者さんに効果はどうか聞くのですが、ほとんどの人が効果を実感しています

これも大量内服や長期連用には適していません。あくまで頓服で使いましょう。

 

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

「やせ薬」と思っている人が多いと思いますが、万能のやせ薬ではないので注意してください。これは「食欲旺盛で便秘がちな体力のある脂肪太り」に効果を発揮します。まあ例えていえば、中年太りした食欲めっちゃあるおじさんですね。

間違っても、あまり太っていない冷え性のある女性は服用しないことです。おそらく体調を崩すことになります。

 

 

 

漢方薬の独特な味への対策

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 漢方薬の厄介なところは味です。甘いような苦いような何とも言えないまずさ・・・

普通にオブラートで飲んでもいいですが、オブラートなんて持ってないよって方にも対処法があります。

 

対処法①

 漢方薬をお湯で溶かしてから氷を入れて冷やして時間をかけてちびちび飲む。

キンキンに冷たくすると味が気にならなくなります。

 

対処法②

苦い薬には苦いもので紛らわす。

漢方薬にチョコレート、ココア、抹茶を混ぜて服用する。漢方薬の独特な味が誤魔化され小さな子供でも飲めるそうです。

 

まとめ

 

漢方薬は天然のもので作られていますが、もちろん副作用もありますので、服用する際は医師、薬剤師のいうことをよく聞いてくださいね。

 

そもそも漢方薬について書こうと思った理由は、今年のある高校野球の試合がきっかけです。その試合は超高校級の投手が延長14回まで一人で投げ抜きましたが、11回に疲労のためか足が攣ってしまいました。

それを見ていた敵チームの選手が試合中に投手を心配してある薬を渡したそうです。

服用後は足の攣りも治まり、150キロ代のストレートを連発し14回を投げ抜きました。

ここで出てきたある薬が「芍薬甘草湯」ではないかと言われています。

 

 参考:やさしい漢方入門書 ねころんで読める漢方医学 著:今津 嘉宏、 よく出る漢方薬ABC 南山堂、 Dr.浅岡の本当にわかる漢方薬  著:浅岡 俊之

 

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当ブログでは基本的に書籍、文献、経験に基づいて記載されています。ブログで投資の内容を記載すると思いますが、投資は自己責任でお願いします。あと薬の使用法は処方医や投薬された薬剤師のいうことをよく聞いて使用して下さいね。