いろぐろ薬剤師ブログ

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悪酔いしない方法は?ヘパリーゼ、ウコンの力の効果はいかに!?

 年末の忘年会シーズンは過ぎましたが、ちょっと前々から気になっていること調べてみました。ちなみに自分はかなり酒が弱いです。最初ビール一杯を頼むのですが、それを一時間かけて飲みます。数十分経つとぬるくなりちょっとおいしくなくなるんですよね。大学の部活では運動部ということもあってかなり飲まされました。プラスチックの如雨露をくわえさせられイッキするという地獄も味わいました(笑)そんなときに悪酔いするんですよねー。薬剤師的に悪酔い防ぐ方法はないのかと思い、自分なりの考えを書いていきます。

 

 

アルコールが弱い人と強い人の違い

アルコール、一般的に飲まれているのがエタノールになります。このエタノールが吸収されて肝臓でアセトアルデヒドという代謝物になります。このアセトアルデヒドがやっかいで二日酔いの原因にもなります。お酒が強い人はこのアセトアルデヒド代謝するのが速いんです。日本人の約37%は遺伝的にお酒が弱い体質で、さらに約6%は遺伝的に全く飲めない体質の方がいらっしゃいます。

 

飲み会の前にウコンの力やヘパーゼ飲むのはどう? 

ずばっといいます。個人的な見解として多分飲んでも意味ないと思います。それぞれ見ていきましょう。

 

ウコンの力

いつのまにかウコンは肝臓に良くて飲み会での必需品とまで言われていました。しかし、含まれているその成分の秋ウコンもクルクミンも肝臓にいいという確かなデータはありません。ですのでアルコール分解の向上は怪しいものです。その点について製造元のハウスウェルネスフーズに問い合わせしてみました。⇒その結果、特にウコンの力で人での酔いに対する研究はしていないとのことでした。そもそも、医薬品でもないしトクホでもなく清涼飲料水ですからね。ウコンの力の味が好きーという人は飲んでもいいかもしてませんが、悪酔いを防ぐぞという人にはあまり効果はなさそう。

 

ヘパリーゼ

こちらは清涼飲料水だけでなく医薬品も存在します。成分は肝臓エキスが入っているそうです。これは動物の天然のレバーを分解したものだそうな。ただ、動物のレバー食って自分の肝臓の機能が向上するのか?と疑問に。肝臓とはいえ分解されたら、ただのたんぱく質アミノ酸になるだけ、また肝臓になるとは限らないんじゃないかな。ってことでまた製造元のゼリア新薬に問い合わせしました。⇒結果、こちらも酔いに関する臨床試験はしていないとのこと。こちらも悪酔い、二日酔いには効果なさそうな予感。

 

そもそも、二日酔い、悪酔いに上記2つを飲むようになったのかは分かりません。CMとかでも明確に効くとは言ってませんが、それを暗示する演出がされています。今度確認してみてください。

 

悪酔いに対する対策は?

二日酔い、悪酔いを防ぐのに気を付けないといけないのが、アルコールの血中濃度を急激にあげないことです。では、アルコールの血中濃度を急激にあげないようにはどうすればいいのかを考えます。アルコールを飲んで、体の中でまず吸収されるのは胃ですが、全体の吸収に占める割合はわずか5%程度。残りは小腸で95%は吸収されますので、アルコールが腸に送られれば一気に吸収される。よっていかに胃でのアルコール滞留時間を長くして、小腸へ送る時間を遅くするかがアルコールの血中濃度をあげない鍵になるということです。どうやったら胃での滞留時間を長くするのか?それは飲む前に油を胃に入れることです!油分は胃での吸収時間がとても長いので胃に数時間滞留します。そこにアルコールが入ってきても一気に小腸に送られることは防ぐことができ、アルコールの血中濃度も緩やかに上がるようになります。

 飲む前に唐揚げ、フライドポテトなどの固形物の油分を摂るのがより効果的❗ですので、飲み会の前にコンビニで『ヘパリーゼ』、『ウコンの力』を買うより『からあげクン』を買って食べたほうがよさそうですよー✨


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参照:最高の飲み方 著:葉石かおり 浅部伸一

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